2017年度 第二回研究会のおしらせ(追記あり)

日本カレドニア学会 2017年度 第二回研究会の詳細を、以下のようにおしらせします。(2017年8月25日 情報を追記しました)

日時:2018年1月20日(土)  15:00~16:30
(なお、会場をご提供下さいます拓殖大学の諸事情により2月10日(土)に変更となる可能性もあります。)

会場:拓殖大学 文京キャンパス (東京メトロ・丸ノ内線 茗荷谷駅下車、徒歩5分)

発表者:富田理恵氏 (東海学院大学)

論題:万人司祭の原理とスコットランド近世史 ―水平と垂直の聖餐式―

要旨:
 教会の役職者として国王任命の主教を置くか否か、また聖餐式で信徒がどの姿勢でパンと葡萄酒を受け取るのかは、聖書に明確な記述はない。近世のスコットランドのなかにも多様な意見があった。しかし反主教、反パースの五箇条(一六一八年)の根強い抵抗運動――それは反国王の運動であるのかもしれないのだが――を、今回の報告は、万人司祭の原理の実現への運動と統合的に解釈し、一教区の聖餐式をめぐる状況から、人々の水平的な関係性へのこだわりを明らかにする。このこだわりはしかし、一六九〇年に至る流血の闘争を避けることはできなかったのだった。
 時は移り一九九九年五月に、スコットランド自治議会が発足した。国歌のまだないなか、その開会式に斉唱されたのは、「王や貴族が何ほどのものか、貧しくとも正直者こそ一番さ」と謳う一八世紀の詩人ロバート・バーンズの「そうであっても人は人」(A Man’s a Man for a’ that)であった。国王を戴く英国国歌とは好対照をなす。この選曲者は、バーンズの水平的な価値観こそ、スコットランドのナショナル・アイデンティティであると認識したに違いない。今回の報告はその歴史的遺産の由来を明らかにするものと、報告者は考えている。

富田理恵氏の紹介

専門分野:スコットランド近世史・現代史

著書、論文など:
共著 木畑洋一 秋田茂編 『近代イギリスの歴史』ミネルヴァ書房 2011年 「『権利の要求』とスコットランド近現代」 293−308頁
共著 岩井 淳編 『複合国家イギリスの社会変動と宗教』ミネルヴァ書房 2012年 「ブリテンの国制構想とスコットランド・イングランド- 一六四七年の転換」83-114頁.

なお、研究会終了後、大学近くで懇親会を開催する予定です。

広告